腰への負担が少ない適度な運動は「腰痛改善」への近道

腰痛改善 適度な運動 筋力アップ 柔軟性アップ 身体機能アップ

腰痛に悩んでいる人の多くは、運動をすると腰痛がさらに悪化すると思い込んでいる傾向にあります。

実は、腰痛を改善するうえで、とても大切なことは、適度な運動をすることなんです。

少し前まで、腰痛改善には、身体を休めて静かにしていることが一番効果的といわれていましたが、近ごろは強い痛みがある場合を除き、積極的に運動をしたほうがよいとされています。

なぜなら、腰椎(腰の背骨)を支える大きな役割を担っているのが、「腹筋と背筋」です。腰痛で緊張している状態の筋肉に、運動不足が加わると、筋肉はさらに弱くなり、腰椎を支えられなくなるからです。

腰痛全体の80%以上といわれている、原因がはっきりとしない「慢性的な腰痛」の人はとくに、少しの痛みがある場合でも、積極的に運動することをおすすめします。

運動が「体にも心にもよい」4つの効果

腰椎(腰の背骨)を支える筋力アップ

腰椎を支えている「腹筋と背筋」の筋力アップをすることで、背骨のS字カーブを保てるようになり、腰痛の予防につながります。

筋肉がリラックスして柔らかくなる

腰痛は腰の筋肉が緊張して硬くなっている状態です。運動によって筋肉の柔軟性が高まると関節の動く範囲も大きくなり、さまざまな動作がスムーズになります。ほかに、ケガの予防や姿勢が良くなるなどの効果もあります。

ストレスをやわらげる

ストレスは日常生活の中で受ける、人間関係や仕事上の問題、家庭問題や経済問題などが大きな要因となって起こります。運動で身体を動かすことは、気分の落ち込みを発散し、心と身体をリラックスさせる効果があります。

特に、好きなスポーツでは、気分転換になり、前向きな気持ちになる効果がより良く現れます。

身体機能の維持、向上につながる

身体機能は20代でピークに達し、その後は加齢とともに低下していきます。身体機能は、身体を「動かすと発達し、動かさないと衰退する」といわれています。

運動により、リンパ液や血液の流れが良くなり、病気への抵抗力もアップします。また、身体の各機能が高まり、腰痛の改善にもつながるのです。

※痛みがやわらいで落ちついてきたら、体を動かしてみましょう。

運動ができるかどうか確認してからはじめる

運動する前に、身体の体調や、腰痛の状態を確認してから、運動できるかどうかを判断しましょう。

運動は、ムリをせずに、痛みや不快感がないかを常にチェックしながら行うようにしましょう。ムリすると腰痛を悪化させる場合があるからです。

🔷 運動できるかどうか、判断チェックリスト

  1. □ 痛みの症状がでてから、まだ1週間もたっていない
  2. □ 動くと痛みを感じ、痛みも強くなっていく
  3. □ 脚やお尻にかけて、痛みやしびれを感じる
  4. □ 動かないで、安静にしていても痛みを感じる
  5. □ 時間がたっても痛みが弱まらず、痛みが強くなっていく
  6. □ 高血圧、糖尿病、心臓病などの持病がある
  7. □ 風邪をひいている、身体がだるいなど体調がよくない

※チェック項目のひとつでも当てはまる場合は、運動をしてもいいかどうかを担当医と相談しましょう。運動によって腰痛が悪化することがあるからです。

注意すること
運動する前に、散歩や軽いストレッチなどの準備運動をして、痛みの状態を確認する。
運動中は、常に体の状態に気をつけて痛みや不快感を感じたら、ムリせずに即中止する。
まとめ
運動不足が続くと筋肉が緊張して硬くなり、腰まわりの筋肉の柔軟性が失われてしまいます。腰の動かせる範囲もせまくなるため、少し動いただけでも痛みが生じるのです。

運動によって、腰まわりの筋肉を動かすことは、腰痛の改善だけでなく、ストレスの緩和にもつながります。はじめは、散歩程度のウオーキングや数分のストレッチから行い、少しずつ体を動かす習慣をつけていきましょう。

ムリのない全身運動がおすすめ

腰への負担が少ない 全身運動 ストレッチ ウオーキング 水中運動

腰への負担が少なく、全身をつかうことがポイント

腰痛改善のための運動は、まず第一に「腰への負担が少ないこと」が大切です。そのうえで、できるだけバランスよく全身をつかう運動をえらびます。

腰痛がある人にオススメの運動は、ストレッチ・ウオーキング・水中運動・筋力トレーニングなどです。

どの運動も、手軽にできて、運動強度を自分でコントロールできるので、やりすぎて体を痛める心配もありません。
運動経験がなく、体力に自信のない人でも安心して取り組めます。

運動は、長くつづけることで少しずつ良い効果が得られます。自分の体力と相談しながら、「楽しく長く」つづけられそうなものを選びましょう。

自分にあった運動レベルの発見

腰痛になる以前からの運動経験や普段の生活パターンを思い返して、自分にあったムリなくつづけられる運動を選びます。

  1. 軽いストレッチと散歩から始める

    日頃から、運動習慣がなく、歩く頻度や距離は、近所へ買い物に行く程度のレベルの人は、ここからスタート!

    ストレッチはカンタンで、痛みがともなわない毎日つづけられそうなものを選びましょう。散歩は、距離を徐々に増やしていく感覚で、けっしてたくさん歩こうと欲張らないことが肝心です。

  2. ウオーキングを習慣にする

    運動習慣があまりなく、通勤時には歩いており、外出も多い人は、ウオーキングがオススメ!

    ウオーキングは、約20分が目安です。距離に換算すると1.5Km~2Kmになります。少し汗をかくくらいを目標に行いましょう。

    体力に自信のある方は、少し負荷が大きく感じられる、ストレッチや筋力トレーニングもオススメです。

  3. 積極的にいろんな運動ができる

    日頃から、運動習慣があり、よく運動をしていた人は!ストレッチ・ウオーキング・筋力トレーニング・水中運動など積極的に行えます。

    運動量をおさえて、コントロールしながら、疲れすぎや筋肉痛を起こさないようにしましょう。以前からの趣味でスポーツをやりたい方は、事前に担当医と相談してから続けることをオススメします。

腰痛の人にオススメの4つの運動

  1. ストレッチ

    ストレッチは、ゆっくりと筋肉を伸ばす運動です。普段のくつろいでいる時間や仕事中の休憩時間にも手軽にできます。腰痛対策のストレッチは、「腰まわりの筋肉」の背中や腰、お尻や脚を中心的におこないます。

    運動の強度は、自分で負荷をコントロールできるので、運動がはじめての人や慣れていない人でも安心して取り組めます。

    はじめてから慣れるまでは、少し伸ばしただけでも負荷や痛みを感じることもあると思いますが、ムリのない範囲でおこなうことが長くつづけるコツです。

  2. ウオーキング

    腰痛対策の運動のなかで、もっとも手軽でオススメなのはウオーキングです。トレーニングウエアやスニーカーなど、動きやすい服装やシューズがあれば、思いついたらすぐ始められる手軽さが魅力でもあります

    ウオーキングは、運動中に筋を収縮させるために必要なエネルギーを、体内の糖や脂肪が酸素とともに作り出す、「有酸素運動」です。筋力の弱い人や体力に自信のない人でも、手軽に安心して取り組めます。

  3. 筋力トレーニング

    筋力トレーニングの目的は、「きたえる」ことではなく、背骨を支えている背中とお腹の筋肉を効率よく「動かす」ことです。

    ムリをすると、腰痛が悪化することがあるので、ムリせずに自分ができる範囲の軽いものから始めましょう。
    毎日動かすことを習慣にして、少しずつ負荷を大きくしていくと、次第に筋肉が増えて筋力もついてきます。

  4. 水中運動

    腰痛対策の運動として、水中運動の最大のメリットは、体重の負荷を軽減する「浮力」や適度な負荷がある「水の抵抗」を利用できることです。

    直接の体重がかからない状態で、「浮力を利用」することで腰への負担を軽減しながら運動できます。

    水中運動は、全身を使った「有酸素運動」です。ダイエットにも大きな効果があるので、特に「肥満による腰痛」が起こっている人には、オススメしたい運動です。

まとめ
運動習慣のない人の第一歩は、散歩することです。運動は長く続けることで少しずつ効果を得られます。自分の体力と相談しながら、 ➡ストレッチ ➡ウオーキング ➡筋力トレーニング ➡水中運動 と段階を踏んでムリをせずに、自分の体力にあわせた運動を長く続けましょう。

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