40代から気をつけたい「生活習慣病」のリスク

40代の2人に1人はメタボ!

「男の健康状態はおなかでわかる」といわれるほど、肥満は健康のバロメーターと呼ばれています。

肥満による健康への悪影響の中でも特に、命に直接関わってくる動脈硬化を重くみて、その予防と早期治療のために診断されるのが、「メタボリックシンドローム」です。

具体的には、「内臓肥満」に、血圧や血糖値、血清脂質に軽度の異常が重なっている状態を指します。つまり、単純に「太っている」という軽い気持ちでは済まされない、治療が必要な状態で、医学的にも病気に当てはまります。

メタボリックシンドロームの最大の危険性は、手遅れになるまで自覚症状がほとんどない点にあります。気づかないうちに、動脈硬化が進んで、ある日突然「心臓発作」や「脳卒中」をおこし、そのまま最悪の状態になる人も少なくありません。

今は、元気だからと油断してはなりません。元気な今だからこそ「健康診断」を年に一度は必ず受けることが、とても大切です。

肥満とは、身体に余分な脂肪がついている状態

それでは、肥満はどういう状態かというと、身体に余分な脂肪がついている状態をいいます。肥満をどのようにして判断するのか? あなたもよく耳にすると思いますが、「BMI」という尺度をつかいます。

「BMI」の算出方法は、体重(kg)を、メートルで表した身長で2回割り算して計算します。

この答が
18.5未満なら低体重(やせ過ぎ)

18.5以上25未満になれば普通体重

25以上の場合が肥満 ➡ メタボリックシンドローム予備軍

たとえば、身長170cmで体重65kgの人を場合で計算すると
体重(65)÷身長(1.7)÷身長(1.7)=22.49
この人の「BMI」は22.49なので、18.5以上25未満の該当するので「普通体重」と判断できます。

中年男性によくみられのが「内臓脂肪型肥満」で、特徴は、お腹が出っ張っている肥満のことを指します。

あなたの周りにも、こんな体型の人をよく見かけると思いますが、一般的には、お腹の周囲の長さで判断されていて、男性は85cm以上、女性は90cm以上の場合に該当します。

メタボから生じる「生活習慣病」

内臓脂肪が増えて、お腹が出っ張ってくると血圧や血糖、血中脂質が上がり、メタボリックシンドロームを発症します。これがさまざま「生活習慣病」の原因となります。

痛風の原因・高尿酸血症

高尿酸血症(こうにょうさんけっしょう)がエスカレートしていくと、結晶(クリスタル化)となった尿酸が、足・ひじ・手首・ヒザにたまり、激しい痛みと腫れなどの発作が起こります。

「痛風」という病気は、患者の98%が男性で圧倒的に多く、30代から増加傾向にあります。生活習慣病のなかでも、もっとも身近な病気です。

痛風の9割以上が足の部位におこる

足の親指のつけ根を中心とした部分におこることがもっとも多く、くるぶし、かかと、足の甲を含めると9割以上が足におきます。

原因は、内臓脂肪の蓄積によってもたらされます。脂肪細胞内にたくわえられた中性脂肪が分解され、血液によって肝臓に運ばれると、「プリン体」の代謝が必要以上に活発になります。

すると老廃物である「尿酸」がたくさんつくられるようになり、「尿酸値の上昇」が長時間続くと発症しやすくなるのです。

豆知識
尿酸とは,「プリン体」という物質が体内で分解されてできる燃えカスです。プリン体は運動したり臓器を動かしたりするためのエネルギー物質で,常に体内で作られています。

痛風を予防するには!

食事の量は八分目にする(量を減らす)

すべてのアルコールの入っている飲料は控える

プリン体を多く含む食品(レバー、カツオ、白子)などを控える

水分と野菜を多くとる

軽い有酸素運動を取り入れる
※短距離走などの激しい無酸素性運動を行うと急激に尿酸値が上昇しますので注意が必要です。

痛風は、生活習慣病といわれているとおり、生活の乱れをなおすことが最優先となります。

一番影響あるのが食生活であり、アルコールの飲みすぎ、肉類の食べ過ぎ、バター・マーガリンなど脂肪の多い食事、ケーキ・お菓子など糖分の多いものを控えることがとても大切です。

特に注意したい5つの「生活習慣病」

糖尿病やその予備群

内臓脂肪が増えると、食事から摂取した糖質を分解する働きに、異常が生じ、糖尿病を引き起こす危険性がが高まります。

高血圧症

高血圧は喫煙と同レベルの、もっとも影響のある生活習慣病の要因です。大きな要因としては、塩分のとりすぎにあります。他に中年の男性に多い肥満、飲酒と運動不足など高血圧の要因は、さまざまです。

脂質異常症

内臓脂肪が増えると、血液中の脂肪値が高くなります。この状態を脂質異常症と呼びます。

これが要因になり、余分なコレステロールを回収して動脈硬化を抑える、善玉と呼ばれる「HDLコレステロール」の減少を招き、動脈硬化を起こします。

そして、肝臓で作られたコレステロールを全身へ運ぶ役割を担っている、悪玉と呼ばれる「LDLコレステロール」が増えすぎると動脈硬化が促進されます。

狭心症・心筋梗塞などの心臓病

動脈硬化が進行すると、臓器や組織に必要な血液の量が大きく減少する状態になる「虚血性心疾患」を招く恐れがあります。

代表的な心臓病は、心臓の血管が狭くなり、血液の流れが悪くなる「狭心症」と心臓の血管に血栓(血液の固まり)ができて血管が詰まり、血液が流れなくなって心筋の細胞が壊われてしまう「心筋梗塞」があります。

脳血管障害・脳卒中

高血圧が長く続くと動脈硬化が進行し、脳の血管が詰まった部分の先の脳細胞には血液が送られなくなる「脳梗塞」と脳の中に出血して血の固まりができる「脳出血」があります。

現れる症状としては、脳細胞が損傷されることから起こる、意識障害や半身まひ、言語障害や認知症などがあります。

この病気を発症してしまうと、大半の人は、身体に麻痺が残る「半身不随」や「認知症」が残り、寝たきり状態がつづき、最悪の場合は死に至る、大変危険な病気です。

生活習慣病の進行モデル

「不健康な生活習慣」が長く続くと、「予備群(境界領域期)」→「内臓脂肪症候群としての生活習慣病」→「重症化・合併症」→「生活機能の低下・要介護状態」へと段階的に進行していき、病状も重くなります。

どの段階でも、生活習慣を改善することで進行を抑えることができるので、あきらめずに取り組みましょう。とりわけ、境界領域期での生活習慣の改善が、生涯にわたって生活の質(QOL)を維持する上でとても大切です。

クオリティ・オブ・ライフ
QOL・クオリティ・オブ・ライフ(英: quality of life)とは、一般に、ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた生活の質のことを指し、つまりある人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念である。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

生活習慣病「人の振り見て我が振り直せ」

生活習慣病が原因の死亡者は、すごく増えており、20代で「5人に一人」と多く、40代になると、なんと「2人に一人」と大幅に増えます。

あなたも、会社の上司・先輩、近所の目上の人、年上の知人・友人など、自分のまわりを見回してみましょう。

いつも、つかれた顔をしている人、常に頭やお腹が痛いと言ってる人、だるそうに歩いている人、このような人の健康状態はどのようになっているのか、心配になります。

毎日の食事の内容や選び方、アルコールのとり方、日頃のマイナス的な言動などをみると、その人の「生活習慣」がわかり、不健康な体つきや顔色の悪さの原因がわかります。

上司・先輩のなかでも、顔色がよく、目に力があり、体型も40代のころとほとんど変わらず、さっそうと歩いている人がいます。見習いたいのは、このような元気な先輩です。

仕事を学ぶことと同様に、「生活習慣」のスタイルを学ぶことも、将来の自分の姿に大きく影響します。

「生活習慣病」が怖いのは、この病気が前ぶれもなく現われ、死に至る確率が非常の高い病気だからです。

まだ40代だから、大丈夫だろうと余裕にひたっている時間はありません。今すぐ「生活習慣」の見直しをしましょう。

 

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