あなたは、睡眠中に寝汗をかいたり、ムレを感じたりして「寝苦しくて眠れない」と感じたことはないでしょうか?
また、マットレスを床やタタミの上に敷いているとカビが生えて困ったことはありませんか?
睡眠中のムレやカビの発生は、寝心地と健康にも大きく影響します。
ここでは、汗や湿気による「ムレ」と「カビ」対策に有効なマットレスの通気性について確認していきます。
睡眠中の「寝苦しさ、不快感、ムレ」3つの原因
寝床内環境について
身体に接するマットレスと掛布団で囲まれた空間の「温度や湿度」を「寝床内環境(ねどこない)」と呼びます。
寝床内の快適な寝心地の環境は、温度が33℃前後、湿度が50%前後といわれております。
また、寝床内の温度が睡眠中の体温を超えると汗をかくようになり、湿度の高さが65%を超えると、寝苦しさや不快感を感じるようです。
➊ 寝汗による湿気
睡眠中は、深い眠りにはいるときに、体内温度を下げる働きがあります。体内温度を下げるために、体表温度を上げて汗を出す症状が起こります。
寝汗は健康な成人で一晩にコップ約1杯分(約200㏄)の汗をかくといわれています。また、ストレスやお酒の飲みすぎ、ホルモンバランスの乱れにより、大量の汗をかくこともあります。
❷ 気候や室内環境による湿気
夏場や梅雨時の湿度が高い季節や、冬場の外気温が低く、室内の温度が高いという気温差によりマドやカベに結露が発生して湿度が高くなります。
➌ マットレスのカビ、ダニ、雑菌の発生原因
寝汗や室内の湿気がマットレス内にたまったり、付着したりすることにより、カビの発生やダニ、雑菌の増えやすい環境になってしまいます。
通気性にすぐれたマットレス 3つの構造
マットレスにおける「湿気は水」という考え方をすると、湿気は高いところから低い所へ移動し下部全体にたまっていく動きをします。
この湿気が、たまり続けていくと多湿状態になり、床やタタミまでしみ込んでしまうのです。
対策として、マットレス内に湿気がたまらないように、湿気を横方向に移動させてマットレスの外へ逃がしてやれば寝床内の湿度は調整できます。
➊ 空気の通り道がある「オープンセル構造」
マットレスの構造には、「クローズドセル構造」と「オープンセル構造」の2つのタイプがあります。
ウレタンフォームは、発泡剤を混合して発泡した気泡のセル(分子の小部屋)がつながっている構造になっております。
● クローズドセル構造
セル(分子の小部屋)には、開口部がなく空気の流れがまったくない密室状態の構造になっているため、通気性はありません。
● オープンセル構造
セル(分子の小部屋)には、開口部があり常に全部解放された構造をしています。空気の通り道があるので空気の出入りが自由自在です。
この構造は寝返りの動きに応じて、マットレス内にたまった湿気を吐き出し、新鮮な空気と入れ替えてくれるので湿気がたまることはありません。一年中ムレのない快適な寝心地を保つことができます。
オープンセル構造を採用しているマットレスはコチラ
❷ スムーズな空気の循環「エアースルー構造」
マットレスの表面や内部にスリット(細長いすき間)を入れて空気の循環(じゅんかん)を良くする構造です。
スリットから常に新鮮な空気が取り込まれ、湿気や汗などの水分をスピーディーに放散します。
➌ 空気の層で構成された「エアファイバー構造」
エアファイバーはウレタンフォームとは素材から構造までまったく異なるタイプです。
ポリエチレン素材のとても細い繊維状の樹脂(チューブ状)を空気とともに編み込んだ構造で70%~90%は空気の層で構成されています。
吸水性が低く、毒性のないポリエチレン素材は、カビやダニの発生の心配がありません。
空気を多く取り込んで、スムーズに空気が流れるので、他のどのマットレスよりも通気性にすぐれており、ムレのない快適な寝心地です。
🔷 通気性の良いマットレスで注意するところ
通気性にすぐれている反面、湿気は上から下へ流れるため底面にたまりやすい性質があります。
このたまった湿気を放置しておくと、カビの発生や水分を含んだマットレスがやわらかくなりヘタリやすくなることがあります。
この対策として、ベッドフレームの使用や、下にスノコや除湿シートを敷いて使うことをオススメします。
🔷 自然な寝返りにも影響する「通気性」
睡眠中は時間の経過とともに、寝汗などにより湿度が上昇するとムレを感じるようになり、寝苦しさからひんぱんに寝返りをうってしまいます。
快適な寝心地を得るための自然で適度な寝返りは大切ですが、ムレを感じての不要な寝返りは、睡眠のさまたげになり好ましくありません。
この湿気の上昇により、睡眠中にムレを感じて寝苦しくなったり、マットレスにカビが発生したりします。
睡眠中のムレやカビの発生は、アレルギーなど健康にも大きく影響するので、空気や汗が通りやすい通気性の良いマットレスを選びましょう。
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